君不在の詩

馳せた思いが戻ってこない。君はいるのだろうか。応答願う。

濁るのは不純ゆえ

最後にこの鍋の底を見たのはもう3週間も前になる。
入っているのは汁。濁りきっている。
秘伝のタレのように減ったら足すを繰り返して運用をしている。
玉ねぎ、芋、人参、アスパラ、豆、エリンギ、ブロッコリーというようなものを足し、
破綻防止剤(コンソメ)他、塩とか味の素とか調味料を節操なく投入する。
この汁で一汁二菜くらいを賄おうという算段なので固体比率が高い。
そしてこれは小説で知った汁を上等に仕上げるためのコツなのだけど、
火にかけてかき混ぜる間、
僕は君のことを想う。